ママは来週89歳になる。
彼女の暮らしを見ていると、年をとることの大変さがわかってくる。
ママは口癖のように「すべてが単純にいかなくなる」と言っている。
ママは車の運転にこのごろ自信が持てなくなったのでバスを週に2、3回使う。
今は私が運転を引き受けているが、バスにも一緒に乗ってみた。
段差が大きすぎて乗り降りが大変。
それにママは自分がのろいことがよーくわかっているので、
かなり早めに出かけてバス停でバスを待つのだが、
バスはたいていかなり遅れる。寒いときにじっと待つのは大変だ。
時刻表も、週末は来ないのやら、祝日は来ないのやらいろいろあって、
正しく理解するのは私でも大変。
私はここ数日、翻訳の仕事をここでもやっていて、
ママと一緒に出かけられなかったので、バス停まで二回見送りにいった。
ママがバスに乗ったあと、座るまで待たずに発進した運転手がいて、
とても腹が立った。
まったく何を考えているのやら・・・っていうか、
何も考えてないからそんなことができるのだろう。
ママの皿洗い機が2回水漏れして、キッチンの床が水浸しになった。
私がいたからいいものの、いなかったらどうやって床を拭くのだろう。
ママは修理屋さんに電話をしたが、電話の会話を聞いていると、
どうも修理屋さんはママのいうことを信じていないようだった。
ちゃんと扉が閉まっていなかったのではないか? 正しいボタンを押したのか? などと
何度も聞かれているようだった。
確かに、ママが間違ったボタンを押したのかもしれないし、
ちゃんと閉めなかったのかもしれない。
でも、何をどう説明しても、きちんと聞いてくれているのかどうか・・・
年をとるというのは、いろいろと大変みたいだ。