庭のアサガオが屋根よりものびて、毎朝100個以上の花を咲かせるようになった。
アサガオは小学校1年生の理科で日本では誰でも学校で育てるよね。たぶん今でも?
私にとってアサガオは思い出深い。小1のとき学校で植えたアサガオの種は私のだけなかなか芽が出なかった。芽が出てからも育ちが他の子のに比べて悪い。なんか失敗したようで恥ずかしい気持ちだった。夏休みは当時は家に鉢を持って帰らず、水やり当番が学校に水やりに行った。私も何度か母と一緒に行った。みんなのアサガオがとっくに花を咲かせ始めても私のはなかなか咲かなかった。夏休みも終わりに近い頃、私の最初のアサガオが咲いた。白い花だった。みんなのは紫やピンクなのに、私のだけ白。貧弱で目立たなくて、私はがっかりした。
翌年の春、母のリーダーシップで家の庭にアサガオの種をたくさん巻いた。芽が出てツルが出始めると、立派な竹の支え棒もたててくれた。その夏、色とりどりのアサガオがたくさん咲いた。学校のアサガオがうまくいかなかったので、母は私にアサガオリベンジをさせてくれたのかもしれない。
母は私が小3のとき、突然病気で死んでしまった。父が母の墓を建てる時、家紋はどうしようと言って、家紋のサンプル本を私に見せた。うちは先祖の墓がなかったから。私はアサガオの家紋を指差して、これがいいと言った。母とはアサガオの思い出があるから。まさかとは思っていたが、うちの家紋は私のその一言でアサガオに決まった。今、父と母の骨が入っている山形市の霊園の墓石には私が選んだアサガオの家紋が掘ってある。
こんなわけで私は機会があればアサガオを植える。今年も春に巻いたのがこんなに育ったよ。