コルカタで1週間ほど過ごした後、私と友人Mは、
我々の旅の最初の土地コルカタを後にして、
インドから陸路でネパールに向かった。
ネパールは私がどうしても行ってみたい場所だったので、
我々の次の行き先だったのだ。
長距離列車の切符を、Fさんのアドバイスどおり数日前に買い、
当日コルカタのハウラ駅でFさんに見送ってもらって
パトナ行きの夜行列車2等寝台席に乗った。
そこからはバスを乗り継いでネパールの首都カトマンズへ行く予定だ。
あの頃は想像もしなかったが、
Fさんはあのとき私たちの行くすえを心配していたに違いない。
Fさんとは3月22日ー24日にインドのブッダガヤという町の
マホボディーソサイエティーで再開する約束をした。
私たちは、マホボディーソサイエティーが何なのか、
ブッダガヤがどんな町なのかもよく知らないまま、
とりあえず約束をした。
そこから、3人で仏跡巡りをしようということになったのだった。
Fさんはインド滞在中にこの仏跡巡りをしたかったが、
まだ実現していなかったので、一緒にしようか? と提案したのだった。
私とMはその後ネパールを10日ほど旅して、Fさんとの約束どおり、
3月22日にブッダガヤのマホボディーソサイエティに到着し、
Fさんと再開した。
Fさんは私たちと会えて驚いてた。
たぶん来ないだろうと思っていたそうだ。
それを聞いたとき、私はFさんがどうしてそう思ったのかわからなかった。
私は約束したから当たり前と思ってそれを守っただけなのに。
でも、今私が自分より20も年下の人と旅先でこんな約束を交わしたら、
おそらく向こうは来ないだろう、と思うに違いない。