孫ちゃんは今ちょうど2歳半。
母親である娘は、なるべく日本語で話しかけるようにしていたのだが、
最近それをやめたらしい。
理由は孫ちゃんの言葉の発達が回りの同年代の子どもに比べて遅いということだ。
それはママが日本語で語りかけているせいなのでは、
ということになったそうだ。
2歳の子どもを持つ親にとって、自分の子どもが回りの数ヶ月若い子どもに比べて、
お話ができないということは、確かに心配なのだろう。
数ヶ月やせいぜい1年程度の遅れなど、あとになったら、
どうということもない気もするが、
簡単にそう思えないのも親心なのだろう。
私は子どもの言語環境に関してはいろんなパターンをこれまでに見て来た。
例えば両親が日本人で家庭での言葉が日本語でも、
アメリカに住んでいれば子どもは普通、いずれ日本語が話せなくなる。
そうならないように、日本語学校に行ったり、
毎年に夏休みに長期日本に帰る家族もいる。
要するに小さな子どもは親の言語よりも、
社会の言語、学校の言語が母国語になっていくということのようだ。
孫ちゃんの母親は5歳から15歳までを日本で過ごしたので、
日本語が母国語かもしれないーーーが、もうアメリカ生活も
13年になrので、今では英語のほうが自然に話せるのかもしれない。
孫ちゃんのパパはじめ、回りはすべて英語人ばかりなので、
自分だけ日本語で娘に話しかけるわけにはいかないようだ。
私と娘の場合、私が娘たちと日本で暮らし始めたのは、
3人娘が上から5歳、3歳、1歳のとき。
そして日本を出てここアメリカで暮らし始めたのが約14年前。
娘たちは上から16歳、15歳、12歳だった。
だから、私の娘たちは小中学校(末娘は保育所と小学校)を日本で暮らしたので、
日本語が話せるし、今ではもちろん英語も話せる。
でも、孫ちゃんはおそらく日本語はあまり話せるようにならないだろう。
でも、話せなくてもいいと思っている。
話せなくても、音を聞いた経験から、こんな響きの言葉が存在するんだ、
ということはわかっているだろうし、
言葉は英語以外にもある、という事実がこの年齢ですでに、
心の奥深くに、根付いてくれていたらそれでいい。
そんな経験が後々外国語を勉強したり、
他の文化を理解するときに、絶対に役立つと思っている。